クリュール家は、コルマール市近郊のカッツェンタル村に17世紀から続くぶどう栽培家です。数世紀に渡ってぶどうを販売してきましたが、1999年にクレマン・クリュールが継承し、醸造設備を新築するとともに自社ビン詰めを開始しました。また、畑においても、創業と同時にビオロジー栽培を開始し、2004年にビオディナミに転換しました。
誠実な仕事と持ち前のセンスによって、ワインメディアや高名なレストランのソムリエ達からも高い評価を受けるようになった彼は、ふと立ち止まり、考えたのだそうです。「昔ながらの懐かしいアルザスワインを、今に復活させてみたい」。
今日、アルザスワインのほとんどは単一品種で造られますが、昔は、複数の品種をブレンドするのが常でした。「複数のぶどう品種をブレンドすることによって、それぞれの品種の持ち味が合わさり、ワインは香り・味ともに、より複雑なものになります。ただ、どの品種をどのような比率でブレンドするかが問題です」。彼は試行錯誤を繰り返した後、スタイルのまったく異なる2つの看板キュヴェ、「ジャンティ」と「ヴォワイユー」を完成させました。
「同時に、私たちが代々住んできた、この「カッツェンタル」(=猫峡谷)という村をアピールできないかと考え、ラベルに猫を採用することにしました」。黒い方が「優しいにゃんこ」、白い方が「不良のにゃんこ」です。